生態学会の若手奨励賞を受賞しました

12月ですね。毎年、12月はとても研究が忙しくなります。というのも、自分は共同研究で毎年10-15くらいのプロジェクトに関わっているのだけど、みんなクリスマス前になんとかひと段落させたい、と考えることが一緒で、ラストスパート的な感じで頻繁にやりとりが行われるのです。とはいえ、気持ちがフレッシュなうちに書いておきたいので、仕事を後回しにして書いてしまおう。

 

 

日本の生態学会から、鈴木賞という賞をいただくことになりました。

3月に名古屋で行われる日本生態学会全国大会で受賞講演をさせていただきます。

なお、1月にも東京の統計数理研究所で招待講演をさせて頂くので、最近は日本に招かれて帰ることが増えてきました。研究者としては嬉しい限り。

 

「日本生態学会奨励賞(鈴木賞)」は、学位取得後4年くらいまで(大学院生を含む)の今後の優れた研究展開が期待できる研究者に授与される賞です。会員の自薦による応募者の中から原則として3名の受賞者を選考し、「日本生態学会鈴木基金」から各々5万円の賞金が贈呈されます。―日本生態学会

 

自薦でかつ毎年10名程度の応募の中から3人選ばれるということで、倍率自体はあまり高くないですが、とはいえ、「我こそは!」と思って応募してくる人たちばかりでしょうから、その中でも選んでいただける、というのは非常に光栄です。

 

 

自分のなかで生態学会の人に功績を認められる、というのは特別なことなのです。

 

というのも、自分は土木「工学」の学位をとっている工学の人間で、大学で8年も土木工学を勉強しておきながら、生態学という「理学」の人の土俵に勝手に入り込んでいる異端者のような感じがありました。よそ者、とは思われてはいないだろうけど、自分で勝手に線引きをしてしまっている、というか。

 

 

他の生態学者なら当然の大学レベルの基礎的な話も全く分からないことが多いし、実験や野外調査もできやしません。論文の書き方も、研究における考え方も理学と工学で違う。なので、しょっちゅうとんちんかんなことを未だにしています。議論も基礎知識がなさすぎて出来ないことがしばし。

 

 

そんな自分でも、環境保全になんとか貢献したい、という気持ちは人一倍強いので、がむしゃらにやってきました。学生時代のポスドクの方に生態学と統計のいろは、研究スタンスや信条に強く影響を受け、それが今でもいきています。

 

また、今のポジションもボスや同僚とのやり取りで日々刺激を受け、生態学会でも自分の研究を面白いねといってくれる人たちが周りに一定数いてくれる。自分を成長させるのは、やはり自分が影響を受けたい・一緒に切磋琢磨したい、と思う人たちとかかわり続けることが大事ですね。

 

 

 

うーむ、未だに自分の生態学センスのなさに呆れていますが、それでも人とは違う切り口で色々試し、自分の研究アイデンティティをようやく確立しつつあります。そんななかで「りょうくん、がんばってるじゃあないか」という感じで生態学会から努力を認めてもらったというのが、特に嬉しかった。まわりでサポートしてくれた人たちへ、サポートしていて良かった、と思えてもらえたらそれは最高ですね。

 

 

 

・・とはいえ、まだまだ自分が望んでいる土俵に立てているかというと全然そんなことはなく、自分の未熟さ、成長ペースの遅さに日々悶々としています。もっと責任のあることをどんどん任されるようにならねば。たまにふらっと横切ってくるチャンスをしっかり掴む、というのを大事にしていきたいですね。