開拓者として大事なこと

研究者とは、開拓者である。

前人未踏の領域に、世界で一番早くたどり着くのだ。

 

ちなみに日曜の昼から飲むビールは最高である。

おすすめは、Schöfferhoferである。しぇっふぁーほーふぁー。

飲んでいるから、ちょっと長く書いてしまった。

 

 

今日は、開拓者精神について個人的見解をまとめてみる。

なにが、開拓者として求められるのか?

 

 

第一に絶対必要なことは、「開拓者精神」であろう。

 

まだ誰も足を踏み入れたことのなく、かつ魅力的な領域を自分こそが開拓するのだ、という強い情熱。自分がやらずして誰がやる、という妄信。これは絶対条件だ。とはいえ、この志はしょっちゅう見失う、どっかにおいてきてしまう。まぁ、時々見失いつつも、そのうちまた見つけたりする。ビジョンといってもいいかもしれない。

 

俺も一度失くして、1年以上鬱になった経験がある。あれはしんどかった。けんきゅ者を辞めようと真剣に考えていた時期もあったが、今はまた再発見したので心の奥に大事に取ってあり、また恐る恐る開拓を再開している。

 

これをずいぶん長いこと持ち合わせていないし、もう必要ないのだ、と思ったら、それは色々な意味で潮時である。とはいえ、教育者だったり、指導者という別の誇らしき道だってある。

 

 

次に、嗅覚。

 

未開拓であっても、それが不毛の地であれば、全ては徒労に終わるだろう。嗅覚がものをいうのだ。そもそも不毛かどうかは未開拓なのだからわからないのだが、それでも、センスのあるやつはそれがなんとなくわかるのだ。時代の流れがなんとなく掴めているのだ。

 

一方、嗅覚のないやつは、だめだ。どれだけ時間と労力をかけてその地にたどり着いたとしても、そこでは収穫もロクにできない、なんてことは多々ある。これはむなしすぎる。が、猪突猛進・盲目的にそこに突っ込む人も多い。

 

ちなみに俺は慢性鼻炎で、においが良くわからない。この一流のセンスは、いまいち持ち合わせていないと思う。どうやってやっていくか、というと、匂いに敏感なパートナーを見つけ、一緒に開拓するのだ。情けないように聞こえるが、致し方ない。とはいえ、俺は誰にも負けないとっておきの武器を磨いてきたという自負はある。

 

 

 

次に、戦略。

 

「おいしそうな」未開拓地のめどがたったなら、どうたどり着くのか。それをしっかり検討しないといけない。少なくとも羅針盤は持っておきたい。どうにもこうにもならん時も正直多いから、バックアップオプションも用意しておく。更には、いつまでたってもたどり着かない場合もあるのだ。そういう時は、いつまでが潮時か、というのも考えておいてもよいかもしれない。また、最短経路で最高速で到達するスピード感も求められる場合もおおい。特に競合が居る場合には。

 

 

 

 

更には、ツール。

 

旅路にはいろいろな困難が立ちはだかるであろうから、それらを想定して準備をしなきゃいけない。そもそも大きな壁が立ちふさがったときに、ダイナマイトを持っているのか、つるはしなのか、はたまたハシゴなのか。なんかしら、ツールは持っていないといけない。

 

 

 

忘れちゃいけいないのが、楽観性。

 

そりゃあ、開拓者はつらい。博士課程の3人に1人は鬱になるそうだ。国際的な調査によると。立派な精神があり、嗅覚をもち、正しい戦略とツールを準備しようが、壁にはぶち当たるのは絶対に避けられないのだ。そんな時に、悲観になるか、楽観するか。これは実際大事で。

 

 

おっとこれも大事だ。セールストーク。

 

よっし、開拓した。やってみせた。前人未踏だ!!

いきんだところで、どやったところで、それは誰も知らない。ついぞ前まで、未開拓だったんだから。この土地に、多くの人を呼び込まなきゃいけない。となると、コミュニティに戻って、やあやあ、先日見つけたんだ、夢見た土地を、と周りに広く伝えなければならない。この売り方をミスると、ふーん、よかったね、で終わる。彼らだって忙しいのだ。

 

そうかよっしゃ、俺も急いでそこにいかなきゃ、とたくさんの人に思わせられる話術や売り方は大事なのだ。これは研究者であればトレーニングを受けることはまれで、なんとか手探りでみんなやっている感じはある。本当によいものであれば自然とほかの人がついてくる、ってのは幻想だ。

 

 

 

・・こんなもんだろうか。

 

こんなものすべてを持ち合わせる研究者には、おれは出会ったことがない。たぶん、いるんだろうけど、ハードルが高すぎる。

 

だからこそ、徒党を組むのだ。ワンピースのルフィみたいだ。

 

徒党を組む上で最も大事なこと、それは、「自分には他が持ちえない能力を持ち合わせているよ」としっかりアピールできること。またアピールするだけの能力を開発しておくこと。アピールしたら、是非こいつとは徒党を組みたい、と思わせるだけの魅力を持ち合わせること。

 

 

この全体像は、忘れちゃあいけないだろう。

うん。