(今の)僕としては、考えるべき時間スケールが一致していることが鍵だと思っています。両者共に、100年規模を考える学問です。土木なら稀有な災害に耐える構造を、生態なら100年規模での遺伝的進化や空間動態を。土木が環境保全を掲げるならば、目先の環境アセスメントだけでなく、その時間スケールでの生態系の動態、知っておくべきでしょう。
また、2019年4月には、国連が「2020年代は生態系復元の時代だ」と宣言したように、世界全体の視点は単なる「環境保全」から、もっと中身に切り込んだ「生態系保全」に深まっていっているように思います。これは、IPBESがこれまた2019年春に大きなレポートとして、現在の生物多様性の壊滅的な現状を報告したことも関連しています。
令和の時代は生態系保全が鍵ですよ、土木工学者たちよ。
特に、土木工学者の果たすべき役割は大きい。社会基盤と生態系基盤の両立をしっかり考える時期にきている。
それがどうだ、未だに多くの大学における土木工学のカリキュラムで、生態学を体系的に学べる機会はないんじゃないのか。それでいいのか。
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